2007年05月28日

★事件は何人で担当するもの?★

 よく,テレビとかを見ていると,弁護士が何人又は何十人が集まって弁護団を組んでいる事件があったりします。
 さて,弁護士が事件をする際には,一人よりも多人数の方がやはりよいのでしょうか? また,どれくらいの人数でやるのがよいのでしょうか?

 一般の方や,小規模事業者の方が遭遇しうる通常の事件の場合,特に弁護士が増えることのメリットはないように思います。相談を受けた直後に,事件をどのように解決していくかを複数の弁護士で検討しあうことは非常に有意義だとは思います。ただ,裁判が始まったりすると,書面を複数人がバラバラに起案するのは難しいですし,法廷に何人もの弁護士が行くと,返って裁判期日の調整がうまくいかず,裁判が長引いてしまうケースもあります。
 他方で,国相手に政治的な主張をしていくケースなどでは,多数の弁護士が同じ意見をもっているということを表明するため,弁護団を組むことがあるようです。また,複雑な医療過誤だったり,大規模な事故だったりすると,裁判記録が何万ページにもなることがあるので,複数の弁護士が分担を決めて記録を読んだりすることもあります。また,裁判ではありませんが,大企業同士のM&Aなどの場合も,それぞれの企業の顧問弁護士がチームを組んで,複数の弁護士で仕事をするケースもあります。

 ということで,離婚・相続・交通事故・売掛金回収・境界紛争などといった,身近でも起こりうるような事件については,よほど特殊な事情がない限りは,弁護士が複数であることのメリットはあまりないように思います。たまに,こういう事件で,訴状に何人もの弁護士の名前が書いていたりしますが,たいていの場合,それは同じ事務所の弁護士の名前を全て並べているだけなので,びっくりしなくても大丈夫なんですよねたらーっ(汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 弁護士

2007年05月24日

★治せない患者さん?★

 体調が悪いので病院に行ったところ,「あなたの病気は治せない(治らない)」と言われたら,相当なショックを受けるでしょう。よほどの難病や重病でない限り,そのように言われることは比較的少ないと思います。
 でも,弁護士の場合,結果的に,「あなたの問題は解決できない」と言わざるを得ない場合が結構あるって知っていますか?

 特に,公共の無料法律祖談などの場合に,弁護士では解決できない問題がよく含まれたりしています。
 一つは,純然たる法律相談とまでは言えない場合です。嫁姑の関係で,姑が嫌がらせをしてくるので何とかして欲しいとか,娘がろくに仕事もしないで借金ばかりしている男と結婚したいと言っているが何とかならないか,と言った相談は,法律相談と言うよりは単なる身上相談なので,一緒に悩みを聞いてあげることはできても,法律的に解決ができるわけではありません。
 もう一つは,法律問題だけれども,解決が困難な場合です。たとえば,アパートの壁が薄く,隣の部屋の赤ちゃんの泣き声がうるさくて眠れず,ノイローゼになってしまった場合を考えてみます。この場合,確かにひどい騒音でしかもしれが「受忍限度」を超えるとなると,慰謝料等の請求権が発生する場合があります。もっとも,この「受忍限度」というのがやっかいで,裁判になると,かなりの騒音でも,裁判官はなかなか認めてくれない傾向にあります。また,わざと音を立てて嫌がらせをしている場合とは違い,赤ちゃんの声泣き声は止めたくても止められないこともあるので,なかなか勝訴判決をとることはできません。他方で,調停をしても,相手が出てこなければ終わってしまうので,なかなか解決は困難なんですよね。

 もちろん,当事者の方としては,心底困り果てて相談に来ていらっしゃるわけで,簡単に「解決できない」と答えていいわけではないと思います。弁護士以外で解決をサポートできる機関等があれば紹介できるわけですが,そのようなところもない場合,不満足げに帰っていく相談者のお顔を見るのは結構辛いもんなんですよねたらーっ(汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 弁護士

2007年05月23日

★依頼者と会わない弁護士がいる?★

TV 弁護士が依頼を受けて交渉をしたり裁判をする際には,まず依頼者と会ってじっくり話を聞くことが当たり前だと筆者は思っていました。ところが,最近では,東京の弁護士事務所などで,「地方の依頼者もOK! 事務所まで来て頂く必要はありません」などという宣伝文句を掲げているところもあるようです。
 果たして,依頼者と全く会わなくても,不都合はないのでしょうか?

 筆者の考えが古いのかもしれませんが,筆者としては,依頼者と会わないで受任することは,とても危ないことだと思います。たとえ,本人が高齢で寝たきりなので,息子さんが相談に来たのだとしても,筆者は本人に会わない限り依頼を受けません。なぜなら,「寝たきりの母に借金があった。交渉&破産申立をして欲しい」と言われて,破産申立をしてみたら,実は,その借金は息子が母に内緒で母名義で勝手に借りたもので,母が全く知らないうちに,母は破産申立されていた,なんてこともありうるわけです。もしそうなったら,息子が問題であることはもとより,本人である母にしっかりと確認をしなかった弁護士も懲戒されてもやむを得ないと思うのです。
 電話だけでの相談だと,実際に,電話口にいるのが本人なのかどうか確認できませんし,騙されてしまう可能性も高いと思うんですよね。

 もっとも,他方で,弁護士が全くいない過疎の地域の方や,寝たきりで動けない方からすれば,電話だけで依頼を引き受けてくれる弁護士は,とてもありがたい面があるのかもしれません。大都市の法律事務所が,全国に支店を出して,支店のTV電話で本店の弁護士と相談できる,などというスタイルもできるのかもしれませんね
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 弁護士

2007年05月21日

★マスコミとどのように付き合うか★

 地方で町弁をしていると,マスコミから取材を受けたりすることがたまにあります。多いのは刑事事件で国選弁護の際ですが,民事事件だったり,裁判員制度等のことについてだったりすることもあります。
 では,弁護士は,マスコミの取材に対しては,どんどん答えてしまってもよいのでしょうか?

 マスコミへの対応って,法律に規定があるわけでもないし,研修所等で習うわけでもないので,実際には,個々の弁護士によってスタンスが全く違うようです。最も難しいのは,重大な刑事事件で,被告人が何を言っているか,被告人が今後否認するのか認めるのか,などを聞かれたときでしょう。被告人の了解を得ずにマスコミに話すことは,被告人の利益に反することがあるので,止めておいた方がいいのかなと筆者は思います。
 他方で,マスコミを効果的に利用しようとする弁護士もいます。たとえば,悪質リフォーム業者に対して損害賠償請求する際に,他の被害者にも喚起するために,訴状を出した段階で,マスコミにリークしたりするのです。これについても,賛否両論あるとは思います。ただし,訴状の段階では,相手方の言い分をまだ聞いていない状態なので,勝訴判決をとってからマスコミにリークするのとは異なり,慎重に検討すべきなんでしょうね。

 いずれにせよ,マスコミって,場合によっては発言の一部だけを取り上げられて,自分が意図したものと違うニュアンスで報道されてしまうことがあるので,その点に一番気をつけなければならないのかもしれませんねTV
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 07:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 弁護士

2007年05月18日

★県内の弁護士数が多くなると…★

 弁護士の人数の急増が,弁護士同士の間だけではなく,一般のニュース等でも取り上げられるようになってきました。筆者の県は,まだまだ少ないとはいえ,筆者が修習生のころは研修所の1クラスの人数よりも県内の弁護士の人数の方がずっと少ない状況だったのに,この5年くらいで県内の弁護士の人数がほぼ倍増し,研修所のクラスの人数と同じくらいになってきました。
 さて,県内の弁護士の人数が増えて,どのように状況が変わってきたのでしょうか?

 正直なところ,筆者はイソ弁ですから,経営がどれだけ苦しくなったかとか,事件がどれだけ減ったかというのは,それほど実感がありません。
 それよりも,今まではほんと実働している弁護士が少なく,皆それぞれ顔も名前も性格もお互いよく知っているし,弁護士会の行事の後はベテランの先輩方がまだ若手の弁護士と修習生を飲みに連れて行く,という光景が当たり前のようにありました。
 ところが,今では,毎年10人近くの新人弁護士が入ってくるので,もはやベテランの先生方は新人の名前と顔と性格が一致していません。また,修習生も,3年くらい前までは1ケタの人数だったので全員誘えたものの,今では何十人といるので,全員誘うと一緒のお店にすら入れません。
 そうすると,結局,どうせみんなを誘えないんだったら,仲のよい同期同士だけで飲みに行こう,という雰囲気になってしまって,ベテランの方々と若手の交流が減ってしまったなあ,というのをひしひしと感じます。

 ま,都会では弁護士が何千,何百人といるわけで,つい最近まで県内の弁護士みんなでわいわいと飲みに行けた筆者の県の方が,特殊ではあるんでしょうね。でも,そういう昔の状況を少しだけ垣間見てしまった世代としては,どんどん県内の弁護士の数が増えて弁護士同士の関係が希薄化していくのが,少し寂しいんですけれどもねもうやだ〜(悲しい顔)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 弁護士

2007年05月14日

★自分でできる裁判って?★

 民事裁判は,原則として,弁護士を使わずに自分で裁判をすることも可能です。ただ,そうは言っても,経験のない人が,弁護士をつけずにいきなり裁判をすることはちょっと躊躇するとは思います。
 では,弁護士をつけずに,自分でできる裁判って,どういう種類のものでしょうか?

 まず,離婚,相続などの,いわゆる家事手続は,比較的自分自身で手続がしやすいようになっています。そもそも,まずいきなり裁判になるのではなくて,調停から始めるようになっていたり,調停が成立しなくても,その後は裁判ではなくて審判という手続になっていたりして,裁判手続を詳細に知らなくても主張がしやすい制度になっています。
 また,訴える金額が140万円以下の,簡易裁判所での裁判も,受付に訴状のひな形がおいてあったりして,自分自身で手続がしやすいようになっています。これは,簡易裁判所の事件が簡単だからというのではなく,ただ費用対効果の面で,簡易裁判所の事件は弁護士等をつかわずにする人が多いので,その人達が利用しやすいようにしているのでしょう。
 さらに,破産手続も,簡単ではないものの,一応弁護士をつかわない人用に説明が書かれた紙などが裁判所で用意されていることもあります。ただ,破産の場合,債権者からの請求に対する交渉が必要だったりすることもありますから,切羽詰まっている方の場合,弁護士なしでは難しいかもしれませんね。

 いずれにせよ,裁判の場合,一般の方が裁判所の受付に行くと,裁判所の職員から,「なぜ弁護士を雇わないの?」というとても冷たい視線を感じてしまうかもしれません。全然違う分野の話ですが,筆者が昔,自分自身でナンバープレートの変更手続のために陸運局に行ったときや,弁護士になる前に登記手続きのために法務局に行ったときも,「なぜ自分で来るの? 行政書士や車のディーラーや,司法書士に頼めばいいのに?」という感じの厳しい視線を感じました。
 どうしても,国の役所って,「役所は手続をする場であって,手続を教える場ではない」という雰囲気があるので,専門家が手続をすることが多い役場では,一般人には入り込みにくいですよね本
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:34| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年05月08日

★遊園地の事故の法的責任は誰にある?★

 GWの真っ最中に,ジェットコースターでの死亡事故という痛ましい事故がありました。あってはならない事故で,メディアでも大きく報道されていますが,今後,法的には,遊園地やジェットコースターの製造会社に,どのような責任が発生するのでしょうか?

 弁護士の職業病でしょうか,こういうニュースを見るとすぐに誰が誰に対して損害賠償できるか,なんて考えてしまいます。ニュース等では,警察の捜査や,業務上過失致死での立件など,『刑事事件』が大きく取り上げられますが,これはあくまで罰金とか懲役を決めるだけで,損害賠償とは関係ありません。遊園地や業者側と遺族の方々とで,解決金の話合い等がなされ,折り合いがつかなければ,損害賠償の『民事事件』になります。
 開業中の遊園地のジェットコースターでの死亡事故は,これまでにも例がないらしく,依頼をうけた弁護士としては様々な法的構成を練ることになると思います。遊園地に対する設置物の管理責任,ジェットコースターの製造業者に製造物責任,管理監督をする国土交通省や市に対する請求など,色々な請求が考えられます。また,遊園地に対する責任でも,単に会社に対してだけするのか,管理部長ないしは実際の管理責任者といった個人も相手にするのか,などという選択もあるわけです。これまでに例がないからこそ,今後の先例ともなりうるわけで,弁護士としても大変頭を悩ますのではないかと思います。

 筆者もGWの前半に別の遊園地の絶叫マシンに乗ってきたところなので,ニュースをみて身震いがしました。こういう事故が二度と起こらないよう,しっかりと対策を考えて欲しいところですね遊園地
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年05月01日

★高利の業者がなくなると弁護士が苦しくなる?★

 いわゆるサラ金は,利息制限法で定められた金利よりも高い金利を設定しているところがほとんどで,それはけしからんということで,弁護士やサラ金被害者の会などが法律の改正を求め,将来的に,利息制限法の金利よりも高い金利については罰則が設けられることになりました。
 でも,これって,実は一部の弁護士にとっては,死活問題の出来事であるって知っていますか?

 利息制限法の金利よりも高い部分については,原則として無効になるので,長い間サラ金のいいなりの金利を支払って来た人は,サラ金から金利分を取り返せることがあります。これを,「過払い金返還訴訟」と言うのですが,今,この手の訴訟が非常に多いのです。そして,1人の方で,サラ金に対して数百万円の過払いになるケースもあり,その場合,弁護士によっては違いますが,取り返せたお金の数割を報酬としてもらうと,弁護士の報酬も100万円を超えることすらあるようです。
 筆者の事務所はそうではありませんが,特に都心部の法律事務所では,このような,過払い金返還訴訟や,自己破産を多数受任して,定型的に処理することによって,事務所のほとんどの売上を得ているところも少なくないようです。そうすると,実は,法律の改正で,利息制限法以上の金利をとる業者がなくなったり,自己破産の数が減ると,過払い金返還訴訟を主としてやってきた法律事務所は,仕事がなくなってしまうおそれがあるんですよね。

 弁護士って,悪徳業者と闘って,悪徳業者を無くすことが仕事のように見えて,実は悪徳業者があるからこそ依頼があって売上があがる仕事でもあるんですよね。サラ金被害者の破産が減って,弁護士の破産が増える,なんて時代がくるのかもしれませんねがく〜(落胆した顔)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:50| Comment(6) | TrackBack(0) | 弁護士