2008年01月22日

★調停しても預金がおろせない?★

 遺産相続って,遺言があれば遺言のとおりに,遺言がなければ相続人らで分け方を話し合って決める(「遺産分割協議」と言います)のが通常です。この場合,亡くなった人の銀行預金をおろすには,戸籍謄本等と,遺言書又は遺産分割協議書を銀行にもっていき,所定の用紙に記入したり押印などすればたいていはOKです。
 他方で,相続人らで話合いができない場合には,家庭裁判所の調停や審判といった手続になるわけですが,この手続で終了した場合,預金をおろすのにいろいろと大変だったりするケースがあるって知っていますか?

 銀行では,亡くなった方の預金の解約を請求する用紙として,たいてい,
@遺言がある場合の用紙
A遺産分割協議がなされた場合の用紙
B遺言がなく,遺産分割協議もない場合の用紙
に分かれています。Bの場合には,原則として,相続人全員の署名,実印押印,印鑑証明書が必要です。
 家庭裁判所の調停や審判で決着がついた場合,それぞれの相続人間がもめているケースが結構あるのですが,銀行の窓口に言って調停や審判で解決したことを言うと,あまり多いケースではないため,しばらく悩まれたあと,@でもないしAでもないので,Bとして扱われてしまうことがよくあります。
 法的には,裁判所が作成した,調停調書や審判の決定書が,まさに遺言書や遺産分割協議書と似たような効力を有することになるので,相続人全員の署名や実印は不要です。ところが,銀行の窓口では,そのことを知らないケースが結構多いのです。
 この点,巨大な都市銀行の場合,マニュアルにきちんと調停や審判のケースのことが書かれていたり,本部に問い合わせればすぐに適切な回答がなされ,スムーズにことが運ぶケースが多いです。反対に,地方のJAだったり,組合だったりすると,弁護士が相続人と一緒について行けば,弁護士さんがバッジをつけてそう言うんだから,間違いないだろうということで,すんなりとことが運ぶケースが意外に多いです。
 ところが,中堅の地銀だったりすると,弁護士だからと言って簡単には信用してくれない反面,本部に問い合わせてもなかなか本部の人も知らなかったりして,非常に時間がかかったりすることがあるんですよね。

 ほんと,亡くなった人の預金の解約って,いずれにしても戸籍などをたくさん集めないといけないので,面倒くさいですよね。亡くなったら,キャッシュカードを持ってまずは銀行のATMに走ってお金をおろしに行くという人が結構いるのも,わかるような気がしますね(後で相続人間揉める原因にもなりますし,そもそも銀行との関係で約款違反になることもあるので,決してお勧めはしませんよ)たらーっ(汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2008年01月17日

★警察の取調べってどんなの?★

 筆者の県の弁護士会では,毎年,憲法記念日の前後に,憲法記念行事と題してシンポジウムを開くのですが,今年は,刑事事件やそれにまつわる弁護の話を取り上げようという話になりました。その中で,鹿児島の志布志事件のような,えん罪や,その過程での警察による不適切な取調べを題材にしてみてはという話がでています。
 今年は,映画「それでもボクはやってない」でも,警察による不適切な取調べが取り上げられていましたが,果たして,警察の取調べって,実際にはどんな感じなのでしょうか?

 結論から言ってしまえば,警察の取調べがどのようなものかは,実際には筆者は知りません。というか,警察関係者から情報が漏れることがまずないので,実際に取調べを受けた人からの話しか,どのような取調べであったかはわからないのです。
 また,刑事弁護で被疑者らの話を聞いていると,犯罪事実を認めている人に対する取調べは,比較的穏やかですが,犯罪事実を否認している人に対する取調べは,かなり過酷になることが多そうです。
 否認している被疑者の接見に行くと,「やっていないのに,刑事から『白状しないと刑務所だ』と脅されている」とか,「刑事が机をどんどん叩いてきた」とか,場合によっては暴行を受けたという話が出ることがあります。弁護人は,被疑者の人権を守るのが任務ですから,それをまずは信じて,裁判においても不適切な取調べがあったと裁判官に主張していくわけです。
 でも,裁判では,結果として,『そのような不適切な取調べがあったとは証拠上認められない』という結論になることがほとんどです。ただ,証拠といっても,取調べの様子は刑事と被疑者以外誰も見ていないし,録音も録画も原則としてされないので,結局,刑事の証言と,被疑者の主張しかないのです。
 結局のところ,裁判が終わった後,果たして被疑者の言っていることが全部事実だったのか,一部は事実で一部は誇張だったのか,単なる被害妄想又はでっち挙げだったのか,よくわからないまま終わってしまうことはよくあります。そしてまた,別の被疑者から同じような主張があった場合には,弁護人として,それを信じて,裁判官に主張していくことになるわけです。

 というわけで,警察の取調べの実態等を取り上げるシンポジウムにしようと思っても,そのシンポを企画する弁護士自身は,警察の取調べを生で見たことはないんですよね。元刑事さんが,「おれはこんなにひどい取調べをやったことがあるぞ」なんてことを話してくれたりすればいいんでしょうが,それはまず無理なんでしょうねえふらふら
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2008年01月09日

★弁護士は政治家になりやすいの?★

 大阪府知事選は,3つどもえの争いになるようですが,そのうち2人が弁護士という状況になっています。
 最近,政治家になる弁護士が多いような気がしますが,果たして,弁護士って,政治家になりやすいんでしょうか?

 弁護士って,実は,特定の業界団体と密接に関連しているわけではなく,支持母体があるわけではありません。いわゆる,道路族の議員さんの場合,建設業界団体が支援したり,組合関係出身の人の場合,連合などが支援したりなどということがありますが,弁護士の場合,そういう選挙で支援してくれる団体が必ずしもあるわけではありません。一応,弁護士は,各県の弁護士会に所属していますが,弁護士会が,弁護士出身の特定の候補者を,支援したり応援したりすることもありません。実際に,弁護士出身者が選挙に出た場合,本当にごく親しい弁護士は応援するかもしれませんが,結構他の弁護士はたとえ同じ弁護士会であっても,冷めた目で見ているケースが多々あります。

 というわけで,弁護士になったからといって,政治家になりやすいということはなさそうな気がしますね。ただ,弁護士って,やっぱり目立ちたがり屋だったり,主張をきっちりと言いたがる人の割合が少なくないので,結果として,政界に進出して目立つ人が多いのかもしれませんけどねあせあせ(飛び散る汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 23:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 弁護士