今年は,映画「それでもボクはやってない」でも,警察による不適切な取調べが取り上げられていましたが,果たして,警察の取調べって,実際にはどんな感じなのでしょうか?
結論から言ってしまえば,警察の取調べがどのようなものかは,実際には筆者は知りません。というか,警察関係者から情報が漏れることがまずないので,実際に取調べを受けた人からの話しか,どのような取調べであったかはわからないのです。
また,刑事弁護で被疑者らの話を聞いていると,犯罪事実を認めている人に対する取調べは,比較的穏やかですが,犯罪事実を否認している人に対する取調べは,かなり過酷になることが多そうです。
否認している被疑者の接見に行くと,「やっていないのに,刑事から『白状しないと刑務所だ』と脅されている」とか,「刑事が机をどんどん叩いてきた」とか,場合によっては暴行を受けたという話が出ることがあります。弁護人は,被疑者の人権を守るのが任務ですから,それをまずは信じて,裁判においても不適切な取調べがあったと裁判官に主張していくわけです。
でも,裁判では,結果として,『そのような不適切な取調べがあったとは証拠上認められない』という結論になることがほとんどです。ただ,証拠といっても,取調べの様子は刑事と被疑者以外誰も見ていないし,録音も録画も原則としてされないので,結局,刑事の証言と,被疑者の主張しかないのです。
結局のところ,裁判が終わった後,果たして被疑者の言っていることが全部事実だったのか,一部は事実で一部は誇張だったのか,単なる被害妄想又はでっち挙げだったのか,よくわからないまま終わってしまうことはよくあります。そしてまた,別の被疑者から同じような主張があった場合には,弁護人として,それを信じて,裁判官に主張していくことになるわけです。
というわけで,警察の取調べの実態等を取り上げるシンポジウムにしようと思っても,そのシンポを企画する弁護士自身は,警察の取調べを生で見たことはないんですよね。元刑事さんが,「おれはこんなにひどい取調べをやったことがあるぞ」なんてことを話してくれたりすればいいんでしょうが,それはまず無理なんでしょうねえ









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