2008年03月24日

判決って誰も聞かないの?

 裁判の判決って,どんな感じで言い渡されるのでしょう? TVドラマとかを見ていると,とても厳かな雰囲気だったり,言い渡された直後に「全面勝訴」とかいう垂れ幕を持って外に出たりというイメージがありますが,実際にはどうなんでしょうか?

 民事事件の判決の場合,実は,全く誰も当事者(原告・被告)が出席していない法廷で,裁判官が,結論部分だけを,ぼそぼそと述べて30秒くらいで終わる,というケースがほとんどです。実際に,法廷に傍聴に行くとわかりますが,午後1時10分から午後1時15分の間に,5件くらいの事件の判決言渡しが入っていたりします。
 民事の判決の場合,当事者に出頭の義務はなく,裁判官も,当事者の都合を考慮しないで判決の日を決めます。また,判決を実際に聞きに行かなくても,後で弁護士が電話をすれば結論を教えてくれます。さらに,詳細な理由については,結局後で判決文をみないとわからないので,よほど世間を騒がす大事件の場合を除いて,原告も被告もいない法廷で,裁判官だけがひっそりと判決を言い渡しているケースが多いんですよね。
 他方で,刑事事件の場合には,被告人・検察官・弁護人が出席の上,厳かな雰囲気で行われることが多いです。

 筆者が修習生で法廷にいたときには,原告・被告はおろか,傍聴人も一人もいなかったので,裁判官が,「はい,言い渡しました」と言って,判決の言渡しを省略してしまってたこともありました。ま,ほんとはダメなんでしょうけれども,誰も聞いてない法廷で,ひたすら判決の結論だけを読み上げるのも,少しばかばかしくなってしまうのかもしれませんねたらーっ(汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2008年01月22日

★調停しても預金がおろせない?★

 遺産相続って,遺言があれば遺言のとおりに,遺言がなければ相続人らで分け方を話し合って決める(「遺産分割協議」と言います)のが通常です。この場合,亡くなった人の銀行預金をおろすには,戸籍謄本等と,遺言書又は遺産分割協議書を銀行にもっていき,所定の用紙に記入したり押印などすればたいていはOKです。
 他方で,相続人らで話合いができない場合には,家庭裁判所の調停や審判といった手続になるわけですが,この手続で終了した場合,預金をおろすのにいろいろと大変だったりするケースがあるって知っていますか?

 銀行では,亡くなった方の預金の解約を請求する用紙として,たいてい,
@遺言がある場合の用紙
A遺産分割協議がなされた場合の用紙
B遺言がなく,遺産分割協議もない場合の用紙
に分かれています。Bの場合には,原則として,相続人全員の署名,実印押印,印鑑証明書が必要です。
 家庭裁判所の調停や審判で決着がついた場合,それぞれの相続人間がもめているケースが結構あるのですが,銀行の窓口に言って調停や審判で解決したことを言うと,あまり多いケースではないため,しばらく悩まれたあと,@でもないしAでもないので,Bとして扱われてしまうことがよくあります。
 法的には,裁判所が作成した,調停調書や審判の決定書が,まさに遺言書や遺産分割協議書と似たような効力を有することになるので,相続人全員の署名や実印は不要です。ところが,銀行の窓口では,そのことを知らないケースが結構多いのです。
 この点,巨大な都市銀行の場合,マニュアルにきちんと調停や審判のケースのことが書かれていたり,本部に問い合わせればすぐに適切な回答がなされ,スムーズにことが運ぶケースが多いです。反対に,地方のJAだったり,組合だったりすると,弁護士が相続人と一緒について行けば,弁護士さんがバッジをつけてそう言うんだから,間違いないだろうということで,すんなりとことが運ぶケースが意外に多いです。
 ところが,中堅の地銀だったりすると,弁護士だからと言って簡単には信用してくれない反面,本部に問い合わせてもなかなか本部の人も知らなかったりして,非常に時間がかかったりすることがあるんですよね。

 ほんと,亡くなった人の預金の解約って,いずれにしても戸籍などをたくさん集めないといけないので,面倒くさいですよね。亡くなったら,キャッシュカードを持ってまずは銀行のATMに走ってお金をおろしに行くという人が結構いるのも,わかるような気がしますね(後で相続人間揉める原因にもなりますし,そもそも銀行との関係で約款違反になることもあるので,決してお勧めはしませんよ)たらーっ(汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:14| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律関係

2008年01月17日

★警察の取調べってどんなの?★

 筆者の県の弁護士会では,毎年,憲法記念日の前後に,憲法記念行事と題してシンポジウムを開くのですが,今年は,刑事事件やそれにまつわる弁護の話を取り上げようという話になりました。その中で,鹿児島の志布志事件のような,えん罪や,その過程での警察による不適切な取調べを題材にしてみてはという話がでています。
 今年は,映画「それでもボクはやってない」でも,警察による不適切な取調べが取り上げられていましたが,果たして,警察の取調べって,実際にはどんな感じなのでしょうか?

 結論から言ってしまえば,警察の取調べがどのようなものかは,実際には筆者は知りません。というか,警察関係者から情報が漏れることがまずないので,実際に取調べを受けた人からの話しか,どのような取調べであったかはわからないのです。
 また,刑事弁護で被疑者らの話を聞いていると,犯罪事実を認めている人に対する取調べは,比較的穏やかですが,犯罪事実を否認している人に対する取調べは,かなり過酷になることが多そうです。
 否認している被疑者の接見に行くと,「やっていないのに,刑事から『白状しないと刑務所だ』と脅されている」とか,「刑事が机をどんどん叩いてきた」とか,場合によっては暴行を受けたという話が出ることがあります。弁護人は,被疑者の人権を守るのが任務ですから,それをまずは信じて,裁判においても不適切な取調べがあったと裁判官に主張していくわけです。
 でも,裁判では,結果として,『そのような不適切な取調べがあったとは証拠上認められない』という結論になることがほとんどです。ただ,証拠といっても,取調べの様子は刑事と被疑者以外誰も見ていないし,録音も録画も原則としてされないので,結局,刑事の証言と,被疑者の主張しかないのです。
 結局のところ,裁判が終わった後,果たして被疑者の言っていることが全部事実だったのか,一部は事実で一部は誇張だったのか,単なる被害妄想又はでっち挙げだったのか,よくわからないまま終わってしまうことはよくあります。そしてまた,別の被疑者から同じような主張があった場合には,弁護人として,それを信じて,裁判官に主張していくことになるわけです。

 というわけで,警察の取調べの実態等を取り上げるシンポジウムにしようと思っても,そのシンポを企画する弁護士自身は,警察の取調べを生で見たことはないんですよね。元刑事さんが,「おれはこんなにひどい取調べをやったことがあるぞ」なんてことを話してくれたりすればいいんでしょうが,それはまず無理なんでしょうねえふらふら
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年12月07日

★ダイビングは法的責任問題の玉手箱?★

 筆者の趣味は,スキューバダイビングです。休みがとれるかどうかや,金銭面のこともあって,それほど頻繁にいけるわけではありませんが,それでも,今年は,1年で60本(ダイビングの本数は,使ったタンク数で数えます)くらい潜ることができました。
 さて,このスキューバダイビングを巡っては,実は,様々な法的責任問題を巡るトラブルがあるって,知ってますか?

 有名な問題としては,インストラクターの監督責任です。司法試験受験のために刑法の勉強をしていると,インストラクターが,受講生の1人が行方不明になったため,他の受講生を海中で待たせて探しにいったところ,待っていた受講生が亡くなったという事件で,インストラクターの責任がどこまで問われるかという事案が教科書に載っていたりします。
 また,沖縄のダイビングで有名なある島では,ダイビング事業者と漁協が,海面の利用権を巡って訴訟になり,判例集に載っていたりもします。
 筆者自身が,先日レスキューダイバーの講習を受けたときには,「危険に関する告知書」みたいなものに,サインをしなければなりませんでした。数年前までは,「損害賠償請求権放棄書」みたいな書式で,事故が起こってもダイビング事業者やインストラクターに対して損害賠償請求をしないという文書にサインをもらっていたそうです。ところが,インストラクターから聞いた話では,消費者契約法が制定されて以来,そのような放棄書にサインをしても無効になる可能性が高いため,今では,ダイビング事業者が説明義務違反(「危険であることを説明していたか否か」)を問われることを回避することに主眼をおき,書式が変わったとのことでした。

 というわけで,ダイビングは,きっちりと手順を踏めば危険なレジャーではないとは思うんですが,リスクはつきまとうわけで,それに伴う法的責任問題はいろいろとあるようです。ダイビングに関わる法的責任に関する書籍も出ているようなので,今後は暇つぶしに読んでみようと思います。将来的には,筆者もそのような本を執筆できたらいいですね本
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 11:02| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年09月11日

★訴状が届かないと弁護士が苦労する?★

今日は、新幹線を乗り継いで、700kmくらい離れた地方都市に日帰り出張です。被告が訴状を受け取らないので、本当に被告が訴状の住所地に住んでいるのか、現地を確認して、裁判所に報告をするのです。
裁判所からは、簡単に、「先生、現地を確認してきてください」って言われますが、実はいろいろと大変って知ってますか?

一戸建ての家ならば、表札があがっていて、電気メーターがまわっていれば、それだけでほぼ住んでいるかどうかの確認はできます。それでも、表札の写真を撮ったりしていると、近所の人から不審がられたりします。
他方、団地などの場合、部屋番号は書いてあっても、表札がないこともよくあります。その場合、ポストからはみ出ている郵便物の宛名を覗き見したりするんですよね。裁判所からは、よく、「近隣住民に聞き取り調査をするよう」に言われますが、かなり怪しまれるので、結構度胸が必要です。
さらに、もっともやっかいなのが、オートロックのマンションです。中には入れないし、ポストに名前が無ければ、確認はかなり難しいです。管理人が常駐しているマンションなら、一か八か管理人に聞いてみるという手もありますが、なかなか教えてはくれないんでしょうね。

というわけで、被告が訴状を受け取らない場合、裁判自体は普通に進行してるように見えますが、実は陰で弁護士はかなり苦労しているんですよね。今は新幹線の中ですが、これから向かう家には表札がかかっていることを祈りたいですね(^_^;)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年09月06日

★都心と地方の裁判所では雰囲気が違う?★

 裁判所に裁判傍聴に行くとわかりますが,民事裁判ならたとえば東京の若手弁護士VS埼玉のベテラン弁護士だったり,東京の中堅弁護士VS千葉の弁護団だったりと,やってくる弁護士も様々です。また,各法廷ごとに,ぼそぼそと小さい声で話す裁判官だったり,とても積極的に発言される裁判官だったり,それぞれ特色があったりします。検察官も同様でしょう。
 でも,ほんとに地方の弁護士の少ない地域に行くと,状況ががらっと変わってしまうって知っていますか?

 たとえば,地方で弁護士が1人しかいない地域の場合,基本的に,刑事の国選弁護はほとんどその弁護士が担当することになります。また,裁判官も1人,その地域担当の検察官も1人だったりして,1日の法廷の全てが同じ弁護士,裁判官,検察官で,被告人だけがころころ変わる,という状況もあったりします。
 また,民事事件の場合,必ず地元の弁護士が担当するわけではないものの,やはり地元の弁護士が対応するケースが多く,弁護士1人の地域の場合,原告か被告のどちらかはその地域の弁護士で,1日に何度も同じ裁判官と顔を合わせていたりするんですよね。

 というように,裁判の内容や進行自体はほぼ全国同様とはいえ,実際の裁判の様子や雰囲気って,都心の裁判所と地方の裁判所で結構違うもんなんですよね。
 筆者も,都心の大きな裁判所に行くと,つい緊張してしまうんですよねたらーっ(汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 12:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年08月02日

★法律の条文には反していないけれど…★

 法律の規制に反すれば,原則として違法となるのはわかりますが,法律の条文には具体的に書かれていなくても,違法になる場合があるってこと,知っていますか?

 先日,建築環境問題のシンポジウムがあり,実行委員としてお手伝いをしてきました。筆者は不勉強であまり知らなかったのですが,特に歴史都市である京都などで,町家のど真ん中に,巨大なマンションが建ったりするのは,景観を破壊するので違法だ,という訴訟が,かなり起こされているようです。
 マンションの建築の際には,建築確認等を経ていますので,形式的には建築基準法等に違反していないわけです。それでも,それまで地域住民が共同しあって,2階建てまでの建物しか建てず,歴史的景観を保存してきたのに,突然何十階建てのマンションを建てるのは,問題じゃないか,ということのようです。
 法律の明文で規定されていないことを裁判で主張していくのは,なかなか容易には認められませんし,難しいことだと思います。また,景観といっても個人によって感じ方に違いもありますし,何よりも,日本の裁判は原則としてあくまで「個人の」権利の判断をするところなので,「公共の」景観が破壊されたことを一個人である住民が裁判をしても,裁判所は判断を避けようとする傾向があることも事実です。なので,建築環境問題などという言葉を聞くと,筆者はこれまで『ああ,裁判での解決は難しそうだなあ』とすぐに考えてしまっていましたが,実際に町家のど真ん中に建ったマンションの現場写真などを見ると,何とか解決しようと奔走する弁護士の気持ちも理解できた気がしますね。

 建築環境問題だけでなく,法律には直接規定されていないけれども,何とかせねば!という問題は,たくさんあるんでしょうね。
 そもそも,サラ金被害の問題も,昔は,法整備がされていなくて,裁判ではなかなか解決できず,それでも何とか被害者を救おうとそのころから頑張っていた弁護士もいたようです。
 そのころのことを思うと,筆者は,ほんと先人たちの努力にのっかって仕事をしているだけだなあ,なんて思ってしまいますね目
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年07月06日

★生徒達にも裁判を!?★

 先日,弁護士会からの案内のチラシで,「高校生模擬裁判選手権」というものの案内が入っていました。へえー,こんなのがあるんだと感心しましたが,よく考えると,裁判員制度がもうすぐはじまる割には,生徒や学生に対する裁判の仕組みの教育って,不十分な気がしませんか?

 筆者も,司法試験を目指すまでは,全く意識しなかったのですが,新聞の社会面の記事の割合をみると,「○○逮捕」とか,「○○訴訟判決」とか,そういう民事ないし刑事の事件の記事って,半分近くを占めています。また,ドラマとかでも,裁判のドラマが多いし,ニュースでも,「○○が懲役何年になった」とかいうニュースは非常に多いです。
 でも,他方で,筆者は小中高の間に,具体的な裁判の仕組みなんて教えてもらったことはありませんし,大学時代ももちろん,実は司法試験に合格するまで,裁判の傍聴に行ったことがありませんでした。そのような方はたくさんいると思います。そうすると,果たして,いきなり裁判員に選ばれたとき,法廷の雰囲気になれるだけで精一杯で,いったい何をもとに考え,議論をするのか,なんてところまでたどりつけない気がするんですよね。
 裁判所って,実は各都道府県に必ずありますし,平日はほぼ毎日事件の法廷が開かれてますし,誰でも無料で自由に傍聴できます。団体であれば,事前に裁判所に言えば,職員の説明付きで傍聴できるところも多いです。本気で裁判員制度を日本の制度として定着させるのであれば,もっと小中高校の間に,社会科見学として裁判の傍聴をしたり,模擬裁判をやってみたり,という試みが必要なんじゃないかなと思いますね。

 ちなみに,生徒が先生と一緒に裁判の傍聴に来て,法廷が終わった後で裁判官に質問をさせてもらっているシーンを見たことが何度かあります。小学生や中学生などまだ小さい子ほど,ありきたりではない,自分が疑問に感じたことをそのまま質問して裁判官を詰まらせてしまうので,みていてとてもほほえましいですねわーい(嬉しい顔)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:28| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年07月03日

★証人尋問は緊張しちゃうと駄目?★

 民事にしろ刑事にしろ,証人尋問や本人尋問(被告人質問)は,緊張してうまくしゃべることのできない方がよくいます。もちろん,緊張して全くでたらめな証言をしてしまったり,全然話すことができなかったりすれば,尋問の意味がなくなってしまいますが,そこまでいかなくても,緊張して詰まったりなかなか言葉がでない場合,裁判官に対する印象はどうなんでしょうか?

 あくまで筆者の個人的な感覚ですが,裁判官も人間である以上,証人が証言をするときの態度がどうであったかというのは,結構重要だと思います。ただ,すらすらとうまく話ができたらそれでよいかと言われると,そうでもない気がするんですよね。法廷って,むしろ緊張するのが普通で,ぺらぺらと饒舌にしゃべったり,あまりにもつっかえずに話をしていると,端からみていて,「ああ,たぶん覚えてきたせりふをそのまま話しているんだろうなあ」とか思えてしまって,むしろ信用されない気がします。他方で,つっかえながらも,一生懸命思い出しながら考えてしゃべる人の方が,正直に話しているように見えることもあるんですよね。
 たまに,談合や収賄などで逮捕された議員さんなどが,罪状認否などの際に,選挙演説のように身振り手振りを踏まえて話されることを見たことがありますが,どうも事前に準備をしてきたという雰囲気が見えて,素直には話を信用できなくなってしまう気がします。

 もっとも,判決では,たいていの場合,証人の証言態度がよかったとか悪かったとかそういうことまで理由として述べられるわけでもないので,結局,どのような証言態度がよくてどのような態度が悪いのかは,検証のしようがないんですけれどもね眠い(睡眠)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:30| Comment(6) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年06月21日

★離婚は急増してないの?★

 今年の4月から,離婚時の年金分割の制度がはじまりました。この制度がはじまるまで,熟年離婚を控えている層がかなりいて,4月から離婚が急増するのではないかと言われていましたが,4月の離婚は前年比6%増だったそうです。6%と言うと,『急増』というほどでもない気がしますが,実際はどうなんでしょうか?

 離婚は,結婚に比べて,決めなければならないことが多く,大変です。特に,結婚の場合,お互いある程度仲良くしていこうという気持ちがあるので,思いやりをもって話合いができますが,離婚の場合,気持ちが離れているので,主張のぶつかり合いが多いです。離婚するかどうか,親権者をどうするか,財産分与はどうするか,慰謝料は必要か,養育費子どもとの面会交渉の有無,Etc…と,意見が衝突するかもしれない事項がたくさんあります。
 ですから,たとえ,今年の4月に年金分割の制度が始まるまで離婚の話を控えていた方が,4月になって離婚の話を出しても,4月中にすんなりと離婚届を出せる割合は相当低いと思います。また,年金分割の制度自体,分割されて年金が減ってしまう側からすれば,嬉しくない制度なので,昨年くらいから「来年4月になってから離婚しようね」と言われておとなしく待っていた夫婦も少ないでしょう。

 ということで,今年4月から年金分割の制度は始まりましたが,そこで離婚の話が出たとしても,実際に離婚件数が目に見えて増えるのは,もう少し先のような気がします。4月に離婚を切り出して,お互いで2か月くらい話し合ったが結論が出ず,もめて別居したりして…などと考えると,そろそろ弁護士に相談に来る方が急増する時期かもしれませんねモバQ
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:22| Comment(5) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年06月04日

★破産するにもお金がない?★

 法人(会社)にしろ個人にしろ,裁判所で破産手続をする場合,裁判所に手続費用を納めなくてはなりません。また,弁護士に手続を依頼する場合,弁護士に着手金を支払う必要もあります。
 特に法人の場合,この手続費用が捻出できず,破産を断念する人すらいるって知っていますか?

 弁護士費用は,弁護士ごとによって全く違うので,何とも言えませんが,破産のための手続費用については,ほぼ全国の裁判所でおなじ基準です。この点,個人で全く財産のない人の場合,手数料は2万円前後なので,それほど問題にはなりませんが,法人の破産の場合,50万円とか,100万円とか必要になってくることがあります。大企業なら何とかなるのかもしれませんが,家族経営の中小企業の場合,何十万円というお金さえ工面できないからこそ,弁護士のところに破産の相談に来ている,と言うケースが多く,弁護士にとっては,破産に必要な資金をどこから捻出するかを考えなければならないわけです。売掛金を現金で回収したりするわけですが,破産をすることが相手にわかれば,相手もなかなか素直に支払ってくれません。上手に回収して,そのお金が他の債権者に回らないようにするには,結構テクニックが必要なようですね。

 ちなみに,結局破産手続費用すら用意できず,代表者個人だけが破産をして,会社はそのまま放置,というケースも,少なからずあるようです。でも,そのような代表者だけの破産って,不正の温床になりやすいので,裁判所からは法人も一緒に破産するよう強く要請されちゃうんですけれどもねたらーっ(汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年05月14日

★自分でできる裁判って?★

 民事裁判は,原則として,弁護士を使わずに自分で裁判をすることも可能です。ただ,そうは言っても,経験のない人が,弁護士をつけずにいきなり裁判をすることはちょっと躊躇するとは思います。
 では,弁護士をつけずに,自分でできる裁判って,どういう種類のものでしょうか?

 まず,離婚相続などの,いわゆる家事手続は,比較的自分自身で手続がしやすいようになっています。そもそも,まずいきなり裁判になるのではなくて,調停から始めるようになっていたり,調停が成立しなくても,その後は裁判ではなくて審判という手続になっていたりして,裁判手続を詳細に知らなくても主張がしやすい制度になっています。
 また,訴える金額が140万円以下の,簡易裁判所での裁判も,受付に訴状のひな形がおいてあったりして,自分自身で手続がしやすいようになっています。これは,簡易裁判所の事件が簡単だからというのではなく,ただ費用対効果の面で,簡易裁判所の事件は弁護士等をつかわずにする人が多いので,その人達が利用しやすいようにしているのでしょう。
 さらに,破産手続も,簡単ではないものの,一応弁護士をつかわない人用に説明が書かれた紙などが裁判所で用意されていることもあります。ただ,破産の場合,債権者からの請求に対する交渉が必要だったりすることもありますから,切羽詰まっている方の場合,弁護士なしでは難しいかもしれませんね。

 いずれにせよ,裁判の場合,一般の方が裁判所の受付に行くと,裁判所の職員から,「なぜ弁護士を雇わないの?」というとても冷たい視線を感じてしまうかもしれません。全然違う分野の話ですが,筆者が昔,自分自身でナンバープレートの変更手続のために陸運局に行ったときや,弁護士になる前に登記手続きのために法務局に行ったときも,「なぜ自分で来るの? 行政書士や車のディーラーや,司法書士に頼めばいいのに?」という感じの厳しい視線を感じました。
 どうしても,国の役所って,「役所は手続をする場であって,手続を教える場ではない」という雰囲気があるので,専門家が手続をすることが多い役場では,一般人には入り込みにくいですよね本
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:34| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年05月08日

★遊園地の事故の法的責任は誰にある?★

 GWの真っ最中に,ジェットコースターでの死亡事故という痛ましい事故がありました。あってはならない事故で,メディアでも大きく報道されていますが,今後,法的には,遊園地やジェットコースターの製造会社に,どのような責任が発生するのでしょうか?

 弁護士の職業病でしょうか,こういうニュースを見るとすぐに誰が誰に対して損害賠償できるか,なんて考えてしまいます。ニュース等では,警察の捜査や,業務上過失致死での立件など,『刑事事件』が大きく取り上げられますが,これはあくまで罰金とか懲役を決めるだけで,損害賠償とは関係ありません。遊園地や業者側と遺族の方々とで,解決金の話合い等がなされ,折り合いがつかなければ,損害賠償の『民事事件』になります。
 開業中の遊園地のジェットコースターでの死亡事故は,これまでにも例がないらしく,依頼をうけた弁護士としては様々な法的構成を練ることになると思います。遊園地に対する設置物の管理責任,ジェットコースターの製造業者に製造物責任,管理監督をする国土交通省や市に対する請求など,色々な請求が考えられます。また,遊園地に対する責任でも,単に会社に対してだけするのか,管理部長ないしは実際の管理責任者といった個人も相手にするのか,などという選択もあるわけです。これまでに例がないからこそ,今後の先例ともなりうるわけで,弁護士としても大変頭を悩ますのではないかと思います。

 筆者もGWの前半に別の遊園地の絶叫マシンに乗ってきたところなので,ニュースをみて身震いがしました。こういう事故が二度と起こらないよう,しっかりと対策を考えて欲しいところですね遊園地
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年04月13日

★弁護士が間に入って交渉はできない?★

 法律相談の際などに,相手に裁判をしたり一方的に請求したりするのではなく,相手との間をとりもって欲しいとか,相手との間に入って話を仲裁をして欲しい,という依頼を受けることがあります。
 さて,弁護士って,このような,間に入って交渉をまとめる仕事もできるのでしょうか?

 結論から言えば,実は,場合によっては弁護士法等の違反になってしまうので,弁護士としてはそう簡単には依頼を受けられません。
 つまり,弁護士は,基本的には,当事者一方から依頼を受けて,依頼者のために仕事をするのが本業です。間に入って,相手のためにも仕事をして,双方からお金をもらうことは,相反する双方の立場を代理する「双方代理」という法規制にも反することになります。
 また,実際のところ,間に入って話をまとめようとすると,どうしても,話を何とかまとめようとして,「(実際はそうでなくても)相手はこれ以上無理だと言ってるよ」とかなんとか言って,無理に話をまとめてしまうこともあり得ます。ですから,弁護士って,実は間に入って双方の話をまとめて仲裁する,なんてことは,原則としてやらないんですよね。

 企業と企業の話合いで,弁護士が集まって話をまとめていくケースがありますが,実はそれも,A企業の顧問弁護士とB企業の顧問弁護士,というように,お互いの依頼者は明確なんですよね。特に離婚しようとする夫婦のケースなどで,夫と妻の両方からお願いをされる場合などがありますが,弁護士としては両方から依頼を受けることはできないんですよねふらふら
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:59| Comment(6) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年03月29日

★裁判官によってそんなに違うものなの?★

 警察の留置場の中って,取調べが終わると結構ヒマになるようで,裁判についてとか,量刑について,被告人同士で様々なうわさ話をしているようです。
 筆者の県のような,裁判官の少ないところでは,「A裁判官は刑が重い」とか,「B裁判官は軽い」とかいう噂がよくまわっているようなんですが,裁判官によって,刑って違うものなんでしょうか?

 結論から言うと,確かに,裁判官によって,微妙に違うところはあるとは思います。それは,人間が裁く以上,当然ともいえるでしょう。たとえば,情状証人として被告人のお母さんが出てきて,泣いてばかりで話にならないような状況だったとき,そのお母さんについて,『泣いてばかりで,あれでは被告人を監督なんてできない』とみるか,『あれほどまでに被告人のことを思うのなら,今後の監督が期待できる』とみるかは,裁判官によって違うんじゃないかと思います。
 ただ,刑事事件って,全く同じ事件ってほんと無いんですよね。同じ1万円のものの窃盗でも,前科前歴の有無,犯行態様,被告人の普段の情状,被害者の属性,反省の態度…など,様々な要素が複雑に絡んで量刑って決まります。ですから,たとえば少し刑が重いと感じても,果たして,その裁判官だけが重いのか,他の裁判官でも同様の刑なのかを,きちんと確かめる方法ってないんですよね。

 結局のところ,裁判官によって微妙に違うことはあるだろうけれども,ある裁判官だけが突出して重い,なんてことはないし,そもそも確かめる方法が無い以上,そんなことを気にしても仕方ないんですよね。
 ですから,被告人から,担当の裁判官は刑が重いかどうか聞かれても,筆者はたいてい「裁判官によって刑がそんなに変わるもんじゃないよ」と答えるようにしているんですよね眼鏡
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年02月19日

★関係ない分野の法律は勉強しないの?★

 先日,検察官が民法の親族法の規定では合法なのに,間違って起訴してしまった,という記事が新聞に載っていました。検察官は法律の専門家ではありますが,基本的には刑事事件を取り扱うので,民事系の法律とはあまり関わる機会は少ないと思えます。
 さて,裁判官,検察官,弁護士って,普段は自分が関わらない分野の法律について,勉強したりはするのでしょうか?

 そもそも,法律って毎年新しい法律がどんどんできてくるので,全ての法律についてしっかりと勉強することはいくら法律実務家でもまず不可能です。そのため,まずは,自分が実際に担当する事件に関わる法律と,関わりはしないけれども,基本ともいえる法律の勉強を優先してすることになります。基本と言える法律というのは,たとえば,個人と個人の間の法律関係を定める基本の法律は民法で,どちらかが商売人であった場合には一部民法の規定の特則として商法の規定が適用され,さらに,商売人が貸金業であった場合,一部さらに特則として貸金業規制法が適用されたりすることになるわけです。基本とも言える法律をしっかり知っていれば,特則の法律については後で知識を仕入れるだけで応用できることも多いので,まずは基本と言える法律の勉強をしっかりとするわけです。

 というわけで,いくら自分が普段関わらない分野の法律とはいえ,民法は基本とも言える法律ですから,検察官が知らなかったわけではないと思います。でも,法律相談とかでも,普段自分が当然知っている法律の規定を,すっかり忘れてアドバイスしてしまったりすることはよくあります(特に,消滅時効の規定とか)。弁護士,検察官や裁判官の仕事って,人の一生を左右してしまうようなこともある仕事ですから,もう一度気を引き締めていかないとならないなあ,と思いましたね眼鏡
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律関係

2007年01月22日

★模擬裁判は儲けにならない?★

 裁判員制度の実施に向けて,この週末,検察庁,裁判所と合同で,模擬裁判があり,筆者も弁護人役として出席してきました。裁判所は裁判官と運営のための事務官さんたち,検察庁も,検察官だけでなく,調査等のために事務官や,高等裁判所からも見学に来ていらっしゃいました。他方で,弁護士は,出席する弁護士と,関係する委員会の弁護士数名だけです。
 このような違いはどこからくるのでしょうか?

 そもそも,検察庁で言えば検事も事務官もともに検察庁の職員で,公務員です。また,裁判官も書記官も,ともに公務員です。他方,弁護士事務所の事務員は,ボスが個人的に雇っている労働者です。イソ弁も,ボスが雇っている弁護士にすぎません。
 以前の模擬裁判の際に,筆者が必死にパワーポイントの画面を作っていたら,検察官から,「えっ,そんなものまで弁護士さん自身が作るんですか? 事務員に作ってもらえばいいじゃないですか。うちらですら全部事務官がやっているのに。弁護士さんの場合,事務員を好き勝手に使えるでしょ?」というようなことを言われ,唖然としました。模擬裁判なんて,いってみれば個人の弁護士がボランティア活動的にやっているものなので,イソ弁が自分の模擬裁判のためにボスの事務員さんに仕事をやらせるなんて,少なくとも筆者の周りの町弁ではありえません。
 結局のところ,検察庁や裁判所の場合,模擬裁判といえども公式の行事なので,もちろん出勤扱いになるし残業代も出ます。公式な仕事である以上,事務員にも仕事を頼めるわけです。他方,弁護士の場合,模擬裁判は事務所にお金になるわけではないし,むしろ事務所の仕事を丸1日休んでやるので,事務所のボスからすれば損でもあるわけです。そのような模擬裁判のために,ボスが雇っている事務員さんを使うなんて,できないのは当然なんですよね。

 ま,模擬裁判という無償の行事でなくとも,イソ弁−事務員さんの関係と,検事・裁判官−事務官の関係は,色々と違うように思えます。また,機会があれば,続きを書いてみますね本
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年12月11日

★法律家の季節感★

 社会人にとって,季節を感じるときってどんなときでしょうか? 窓から見える桜が満開のとき,新入社員が入ってくる時期,忘年会の季節…などいろいろあるかもしれません。
 さて,弁護士,裁判官,検察官の場合,どんなときに季節を感じるのでしょうか?

 まず,弁護士,特に地方の町弁について言えば,何月になると異動があるとか,何月になると事務所に新人が来るとかいうことがありません。また,仕事自体も,あまり季節によって量や内容が変動するわけではないので,行事や仕事の中身で季節感を感じることはあまりありません。それよりもむしろ,裁判所に行ったり接見に行ったりといろいろ外を歩き回ることが多いので,もうコートを着なくてはならないから冬だなあとか,雨が多いし梅雨だなあとか,そういった直接の季節の変化を感じることは多いです。
 これに対し,裁判官や検察官の場合,通勤以外はほとんど建物の中にいて,昼間に仕事で外を歩き回るということがありません。その代わり,どちらも3年に1回くらいの割合で転勤がありますから,転勤の多い4月や10月になると,季節を感じたりするのかもしれませんね。

 ちなみに,裁判所も検察庁も,節約のため,5時半くらいを過ぎると部屋の冷暖房が止まってしまうところが結構あるようです。そのため,残業の際に,卓上扇風機を回していたり,使い捨てカイロを大量に購入していたりしている方も結構いらっしゃるようです。
 そういう意味では,部屋の中で仕事をしていても,直接季節を感じていらっしゃるのかもしれませんね晴れ
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:32| Comment(3) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年10月04日

★被疑者国選弁護レポート★

 この10月から,重大事件について,起訴される前,すなわち被疑者として勾留されている段階から,国の費用で弁護士がつく制度がスタートしました。筆者の県では,年間50件程度で,弁護士1人あたり年間で1件くらいだろうと言われていたところ,さっそく筆者に被疑者国選がまわってきました。
 さて,この被疑者国選,今までの起訴されてからの被告人国選と,実際に弁護してみるとどこが違うのでしょうか?

 まず,いきなり,今週の月曜日に立ち上がったばかりの「法テラス」から,電話がかかってきました。何のことかと思って電話に出ると,これまでいろいろお世話になっていた弁護士会の事務局の方から,被疑者国選が入ったことを告げられました。筆者の県では,国選弁護を熟知した事務員さんが法テラスにいて欲しいということで,弁護士会の事務局の方が法テラスに1人移られたのです。
 さて,一応受けることになり,しばらく待っていると,事務所に事件の概要とか,「報告書」なるものが送られてきます。これまで,国選弁護の報酬は,裁判所が内部の基準で独断で決めていましたが,10月からは「法テラス」と弁護士との契約内容に報酬の基準が細かく決められています。報告書には,報酬を決めるため,接見回数が何回だとか,示談が成立したかどうかなど,いろいろと記載しなければならないスペースがあります。
 そして,接見に行ってみました。まずは,突然頼んでもいない弁護士が来て,被疑者はちょっとびっくりです。しかも,通常,被疑者国選なら勾留された直後に,被告人国選なら起訴されてから弁護士がつきますが,制度が始まった今だけは,既に現在勾留されてしまっている人のうちで重大事件の人にも被疑者国選がつくのです。筆者が接見に行ったのは,既に勾留されてから10日以上経っており,被疑者からすればなぜ今頃になって?という感じなわけです。

 というわけで,弁護内容自体としては,これまでの私選弁護と大差はないように思いますが,いろいろと細かい運用でこれまでとの違いを感じました。
 突然制度が変わって,被疑者も困惑,弁護士も迷惑,な気がするのは,筆者だけなんですかねえふらふら
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年10月02日

★裁判所関係者は顔が広い?★

 この土日は,筆者が所属する裁判所テニス部の合宿に参加してきました。自分の本来所属する職場(弁護士)と違う合宿とかに参加すると,いろいろ新たな発見とかがあるのですが,今回はどんな発見があったのでしょうか?

 今回は,筆者の県から4つ離れた県まで,バスで遠征して,その県の裁判所テニス部と対抗戦をして,夜には宿で親睦会をしました。参加者は比較的年配の方が多かったんですが,裁判官に限らず,裁判所関係の方って,3年に一度くらい必ず転勤があるので,お互いにどこかで一緒に仕事をしていた,ってことがすごく多いんですよね。だから,定年退職されたばかりの方とかは,裁判所内部ではほんとにすごく顔が広くて,驚いてしまいます。
 弁護士って,基本的にはずーっと同じ場所で仕事をしますから,付き合いも知らず知らずのうちに狭い範囲にとどまってしまいがちなんですよね。もちろん,ただ単に広く浅い付き合いをするだけでは意味がないのかもしれませんが,いろんな人から刺激を受けるようにしていかないとなあ,と久しぶりに感じちゃいました。

 ちなみに,筆者の戦績は散々でした(>_<) 今年の夏は週末の度にダイビングをしていたので,これから秋はテニスもちょっと頑張ろうかなテニス
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年08月24日

★サインをしてしまったらそれで終わり?★

 みなさんは,「どんな事故が起きても,一切貴社には損害賠償請求致しません」みたいな内容の書面にサインをしたことはありませんか? 筆者はダイビングをしますが,ショップによっては,事故が起きても自己責任で一切損害賠償請求なんてしません,という内容の書面にサインをさせられることがあります。
 さて,こういう書面,サインしてしまったら本当に一切損害賠償請求できないんでしょうか?

 もちろんケースバイケースではありますが,日本では,たいていの場合サインをしても,たとえばショップや業者側にも落ち度があるため事故が起きたりしたら,たいてい後で損害賠償請求をすることは可能です。消費者契約法とか,民法の信義則等によって,救済されることが多いです。ただ,危険を承知していたことが,賠償額の減額につながったり,請求が認められにくくなったりすることはあるでしょう。
 でも,外国ではどうなんでしょうか?
 先日モルディブでダイビングをしたときも,そういう書面にサインしましたし,筆者がかつて韓国と北朝鮮の国境である板門店の共同警備区域(JSA)に行ったときも,国連の施設で,「不慮の事態により,私の生命,身体についていかなる損害が発生しても,国連及びアメリカ軍に対して一切責任を追及しません」みたいな書面にサインさせられた記憶があります。まあ,サインをしなければサービスを受けられないわけですし,みんなサインしているので流れ出サインをしてしまいますが,ひょっとしたら後ですごく重要になる権利を自ら放棄してしまっているのかもしれませんね。

 というわけで,日本では何も考えずにサインしている人でも,海外では少し慎重にサインした方がいいのかもしれません。ま,筆者の場合,そもそも英語がほとんどわからないという大きな問題があるんですけどねがく〜(落胆した顔)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 07:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年08月22日

★専門家はしっかりしなきゃダメ?★

 弁護士は,法律問題,訴訟問題については専門家ですが,不動産登記手続については司法書士が専門家です。簡単な登記なら,弁護士が自分でやることもありますが,複雑な登記の場合,司法書士に頼む弁護士が大半でしょう。
 さて,専門家が手続をする場合と,そうでない人が手続をする場合で,役所の対応って変わるのでしょうか?

 先日,事情があって,少しやっかいな登記を自分で申請しなければならないことになりました。本を読んで調べたり,知り合いの司法書士に聞いて申請書を提出しましたが,案の定,計算方法について法務局から電話がかかってきました。
登記官 「この価格の計算はどうやってしたの?」
まちべん「いや,××の表をみてやりましたが…」
登記官 「はぁ? ○○の表じゃないですか。○○の表持ってるでしょ?」
まちべん「いや,見たこともありませんが…」
登記官 「はぁ? あなた本当に司法書士なの?」
まちべん「いや,弁護士です。登記は不慣れなもんで…」
登記官 「あ,そうでしたか。失礼しました。じゃあ,私が計算して補正しておきますから,訂正印を持参してください。」

 登記官は,筆者のことを司法書士だと思っていたようで,司法書士手帳等に載っているらしい計算式のこととかを話していたようなんですが,筆者が司法書士ではないと知って,急に態度が変わりました。
 これは当然のことなんでしょう。専門家はプロですから,きっちりとしなければならない。役所としても,専門家に対しては,厳しい注文をつけるということなんでしょう。

 弁護士の場合も,当然同じことだと思います。でも,司法書士の登記手続の場合,正解と間違いが比較的はっきりしていますが,弁護士の弁護活動の場合,はっきりとした正解・間違いがないので,表だって批判されにくい面があるのではないかと思います。
 裁判所で,裁判が終わった後に,裁判官や書記官の方に,裏で「あの弁護士の弁護はだめだねえ」なんて批判されないように,専門家として恥ずかしくない弁護をしていきたいですね手(グー)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 07:56| Comment(5) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年08月11日

★夏休みは裁判官がいない?★

 みなさんは今年の夏休み(盆休み)はどのくらいありますか? 夏休みなんてない,という人もたくさんいるでしょうね。
 これまでにも,裁判所や検察庁はお盆でも開いているので,裁判官や検察官は交代で休みをとるという話をしたことがありましたが,裁判官や検察官が一人しかいないような地方の裁判所等ではどうなっちゃうんでしょうか?

 県庁所在地の裁判所(「本庁」といいます)ではなく,地方の支部の場合,裁判官が1人ということもよくあります。その場合,原則として,裁判官が夏休みの期間中は,裁判期日が開かれません。ですから,民事にしろ,刑事にしろ,裁判の期日が少し空いてしまうことがよくあります。また,保釈の請求や,仮処分など,緊急を要する事案の場合には,別の支部や本庁にいる裁判官が,代わりに判断をすることになります。でも,事件記録を移動させたり,別の裁判官も元々の事件があるので,どうしても決定が遅くなってしまいがちなんですよね。

 というわけで,裁判所自体は空いているとはいえ,利用する側からすれば盆休み等の期間は不便になることも多いです。急いでいる依頼者には,そのことをよく説明しておく必要があるのかもしれませんね。
 筆者は来週お休みしてあこがれだったモルディブに潜りに行ってきます。来週はブログの更新はお休みですねリゾート
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 16:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年07月31日

★法律相談と方言★

 筆者の県では,県庁所在地等ではあまりないものの,都市部から少し離れたところに行くと結構方言があったりします。さて,方言のきつい地方で法律相談をする際に,注意しなければならないことはどんなことでしょうか?

 まず,当然ながら,意味の取り違えに気をつけなければなりません。筆者の県では,『借りた』ということを「かった」と方言でいうことがあります。「この土地は隣の人からかった」と言われた場合には,隣の人から『買った』のか,『借りた』のか,確認しないと法律的には大きな違いになってしまいます。
 次に,地方で,ご高齢の方の場合,話されている内容自体を理解するのが難しいときもあります。方言が混じっているだけならず,その地方独自の慣習を当然の前提として話すことがあるので,わかりにくいんですよね。じっくり聞いてあげて理解できればいいのですが,自信がなければ,次回に息子や娘さんと一緒に来てもらうなどの工夫も必要かもしれませんね。

 弁護士の場合,通常はずっと同じ土地で仕事をするので馴れてはいくでしょうが,検察官や裁判官の場合,転勤があるので,大変でしょうね。筆者の同期の関東育ちの検事さんが全く縁のない地方に赴任していますが,取調べの際にはいろいろと苦労があるんでしょうねモバQ
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:18| Comment(6) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年05月22日

★弁護士からみた前期修習の変化★

 一昨日の土曜日には,東京の日弁連で現在前期修習中の60期司法修習生向けに,地方の弁護士会が就職をアピールするシンポジウムが行われました。地方の弁護士会がブースを出して,修習生に地方の弁護士事情などを話し,知ってもらおうという機会です。筆者も,先輩弁護士らとともに,アピールに行ってきました。
 さて,筆者も3年前には修習生としてこのシンポに参加していたわけですが,3年前と比べて,今の修習生の前期修習には何か変化があるのでしょうか?

 筆者のころは前期修習が3か月間あったのですが,今では2か月となっています。でも,授業のカリキュラムはほとんど減っていないため,大変なようです。筆者のころなどは,クラスでもほぼ毎日何らかの飲み会が開かれていましたし,地方から出てきた人たちがおごってもらう目的で東京の巨大事務所の訪問に行ったり,様々な合コンがあったりしました。でも,今ではほとんど毎日課題(宿題)が出されるので,そんな余裕はないし,筆者のころは平日に教官も参加で開催されたソフトボール大会も今はなくなり,寮の学園祭のようなものも筆者のころは盛大に開かれましたが今では跡形もないそうです。

 たった3年前のことなのに,ずいぶんと変わるものなんだなあと驚きました。これも司法改革の影響なんでしょうね。もちろん勉強は大事ですし,しっかりとやって欲しいと思いますが,修習中に作る同期同士の絆もすごく重要なので,ぜひ勉強の合間に酒を飲んで語り合ったり,一緒に遊んだりして同期の親交を深めて欲しいなあと思いますねドコモ提供
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年04月28日

★保釈されたあと,どうするの?★

 世間では,ホリエモンが保釈されたというニュースが飛び交っていますね。さて,この保釈という制度,保証金さえあるのであれば,どんどん利用した方がいいのでしょうか?

 実は,結論から言うと,保釈をしない方がよい場合もあります。まず,典型的な例としては,保釈されているのに,被害弁償をしていないというケース。以前記事にも書きましたが,裁判官に,「保釈保証金は用意できるのに,被害弁償金は用意できないの?」と思われてしまい,心証がよくありません。また,保釈されて出てきてから,子どもの世話だったり,親の介護だったり,会社の経営だったりなど重要なやるべきことがあるのならよいのですが,別に出てきても特段することが無い場合には,むしろ,拘置所内にいた方が,公判の時に,「被告人は既に長期間身柄拘束され,実質的に罪を償っている」とか,「被告人は拘置所内で十分に反省の機会を与えられている」などと言って,判決の際には有利な情状になることがあるんですよね。

 結局のところ,いったい何のために保釈で出てくるのか,ということなのかもしれませんね。さて,ホリエモンは,保釈で出てきてから,いったい何をするんでしょうね犬
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年04月04日

★執行官は大変な仕事?!★

 賃貸借契約が終わったので,大家さんが「出て行ってくれ」と言ったのに,借り主が出て行かない。裁判を起こして勝訴判決を得たのに,それでも出て行かない。こうなったら,大家さんは強制執行することになるでしょう。
 さて,この強制執行は,「執行官」という方がすることになりますが,この,執行官ってどんな仕事でどんな方がなるのでしょうか?

@執行官は,鍵屋と仕事をする?!
 強制執行をする際には,閉められている家に入らなければならないことも多々あります。ですから,執行官は,強制執行の際,鍵屋さんを連れて廻り,鍵屋さんに鍵を開けてもらったりします。

A執行官は,強面が多い?!
 強制執行をされても,文句を言ってなかなか出て行かない人もたくさんいます。そんなときでも,執行官は,有無をいわせず業者に荷物を運ばせたりしなければならないときも多いです。そういうハードな仕事だからか,執行官は強面の人が多いです。

B執行官は,儲かる?!
 執行官は,完全歩合制で報酬を裁判所からもらうそうです。ですから,ばりばり仕事をする執行官は,かなり儲かるそうです。ちなみに,執行官は,元裁判所書記官の方が多いようですね。

C執行官は,3K職場?!
 強制執行の相手方が暴力団であっても,執行官はイヤだとはいってられません。また,借り主がずっと連絡なしに家賃未納だということで,明渡しの執行をしようと鍵を開けて部屋に入ると,独居老人が寝たきりで亡くなっていた,などと言う話も少なからずあるようです。ほんと,肉体労働って感じですよね。

…とまあ,断片的に拾いましたが,執行官と言う仕事はほんと特殊な仕事だなあと思います。判決をただの紙切れに終わらせないために,執行官の努力がある,といえるのかもしれませんね目
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年03月23日

★法律家たちの夕食事情★

 みなさんは,毎日夕食を家で食べていますか?
平日は残業が多い方などは,なかなか家で食べられない人も多いと思います。昔は,残業食が出る企業なども多かったようですね。
 さて,裁判官,検察官,弁護士たちが,残業で遅くなる場合,夕食はどのようにしているのでしょうか?

 まず,大都市の裁判所や検察庁の場合,夕食の時間まで庁内の食堂が開いていることがあるようです。これはもっとも便利でしょうね。ただ,あまり遅くまでやっていると,残業を推奨することになりかねないからでしょうか,たいていの場合早めの時間(たとえば18時とか)で閉まってしまうようです。
 筆者が修習していた検察庁では,食堂を経営していた会社が倒産してしまい,一時的に食堂がなくなっていました。ですから,残業をしている検察官や事務官さんは,出前などを注文していることが多かったです。
 これに対し,弁護士の場合,会社に食堂なんてあるわけないですから,どこかに食べに行くことになります。都会のオフィス街にある事務所なら,食べるところには困らないでしょうけれども,地方の町弁の場合,夜にあいているのは居酒屋とスナックしかない,なんてこともしばしばです。他方で,地方の町弁の場合には家と職場が非常に近い人がほとんどなので,家で夕食を食べて,また事務所に戻って少し仕事,なんて人もいるようですね。

 ちなみに,筆者の支店事務所の場合,歩いていけるのはラーメン屋しかありません。都会の弁護士からすれば,むしろ今日はどこにしようかと迷わなくていいので,うらやましがられるのかもしれませんねレストラン
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 11:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年03月13日

★裁判官と単身赴任★

 4月は裁判官・検察官の異動の季節です。中学生や高校生のお子さんがいる裁判官・検察官の場合,単身赴任をするのか,家族で引っ越しをするのかで頭を悩ましている人も少なくないと思います。
 ところで,共働きの裁判官・検察官の場合,勤務先の決定において,どのくらい配偶者のことも考慮されるのでしょうか?

 今からだいぶ昔は,そもそも司法試験に合格する女性が少なく,また,共働き家庭も少なかったので,夫が裁判官・検察官の場合,専業主婦の妻と子どもが夫の全国転勤についていくというケースがほとんどでした。まれに,裁判官・検察官同士の夫婦だったり,配偶者が弁護士だったりした場合には,事実上,何とかお互い同じ家から通える範囲の異動にとどまるよう,考慮されていたりしました(たとえば,さいたま千葉神戸と奈良など)。
 しかし,最近では共働きの裁判官・検察官も急増しています。共働きの人全ての異動において考慮していては,とうてい人事がまわらない状況になりつつあります。ですので,配偶者のことは考慮しないことはないものの,新婚早々いきなり別居というケースもちらほら見かけられますし,何年もずーっとお互い別居というケースもまれにあるようです。

 修習生が進路を決める際に,転勤がイヤなので弁護士,という修習生も,やはり相当数いるようですね。筆者は親が転勤族だったので,転勤自体は抵抗感はありませんし,一定の地域から出たくないということはないのですが,やっぱり単身赴任や夫婦別居はイヤだなあと思ったりしますね家
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 17:39| Comment(7) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年03月09日

★裁判員制度に対する関心度って?★

 昨日は朝7時半から駅前で検察庁の職員の方々と一緒に、裁判員制度PRのためのビラをまきました。さて、裁判員制度に対する市民の関心ってどうなんでしょうか?

 筆者は営業マン時代には百貨店セール告知のティッシュ配りを、学生時代にはテニススクールのビラ配りをしたことがありますが、配ってみるとみなさんの反応がよくわかります。
 朝というのは通勤に急いでいる方が多いので、本当はあまりいい時間帯ではないのですが、みなさん意外に比較的好反応で受け取ってくれました。特に、中年のサラリーマンの方々は、はじめ下を向いて歩いていたのに、「裁判員制度がはじまります!よろしくお願いします」というのを聞いて、ポケットから手を出してくださる方も結構いましたね。

 ま、裁判員制度がいい制度か悪い制度なのかはまだわかりませんが、導入されることが決まっている以上、みんなが関心をもって議論を深めていくことが大切なんでしょうねわーい(嬉しい顔)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:15| Comment(6) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年02月07日

★裁判官に現場を見に来てもらうためには?★

 境界紛争や建築紛争,交通事故などの民事事件の場合,当事者や弁護士からすれば,裁判官に対して書面で説明するよりも,1回でいいからとにかく現場を見に来て欲しいと思うことがあります。
 さて,裁判官に現場まで来てもらうためには,どのような手段をとればよいのでしょうか?

 基本的に,裁判官は忙しいので,なかなか現場まで来てくれません。現場まで来るとなると,裁判所で運転手も手配しなければなりませんし,書記官もついてこなくてはならないので,たくさんの人手と労力がかかってしまうことも,裁判官が現場まで来てくれない理由の一つかもしれません。
 裁判官に来てもらうためには,本来ならば現場の「検証」という形で,裁判官が現場を見て実際の様子などを調書にするのが原則です。でも,そのような正式な形にすると,調書を作成する書記官が大変ですし,調書の記載内容について両当事者からいろいろ違った言い分が出たりして,後で紛争が複雑になることもあります。そこで,「進行協議期日」という,これからの訴訟の進行を裁判官と当事者(弁護士)で話し合う期日の形で,現場を見に行くことがよく行われます。これならば,当事者からすれば裁判官に現場を見てもらえたことで満足しますし,裁判所も手続面が複雑にならず,手間が省けるようです。

 裁判官に現場を見てもらえると,その後は裁判官に対して自分の主張をとても説明しやすくなります。証人尋問でも,「家の東側に大きな木がありますよね」なんて話が出てきても,裁判官が理解してくれたりするので,弁護もしやすくなります。
 でも,今の時期くらいに現場を見に来てもらっても,4月の異動で裁判官が変わってしまうと,結局意味がなくなっちゃうんですよねたらーっ(汗)
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 09:42| Comment(3) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年02月06日

★準抗告は裁判所が大変?★

 刑事事件で犯人が逮捕された場合,逮捕の手続では最大でも72時間しか身柄を拘束できないので,10日間の「勾留」という手続を検察官が裁判所に請求することになります。そして,必要性が認められれば裁判官が勾留を許可するわけですが,その許可に対して,弁護士が文句を言う手段として,「準抗告」という方法があります。
 さて,この準抗告,場合によっては裁判所がとても嫌がるって知ってましたか?

 準抗告がなされた場合,裁判所はこの準抗告が正当なものなのかどうかの判断をするわけですが,これは@できる限り早急に,A3人の裁判官で検討しなければなりません。ですから,たとえば金曜日の午後5時に準抗告をした場合,裁判官はそこから記録を読んで検討しなければならないのです。裁判所の受付では,「先生,これは月曜日に判断じゃダメですか?」なんて言われることがありますが,こちらも被疑者の身体拘束に関わっているので,「ダメです。すぐに判断して下さい」と言うわけです。都会の場合,裁判官が多いので,当直の裁判官だけで何とかなることもあるようですが,田舎で裁判官が数人しかいない場合,大変です。デートの予定や飲み会もキャンセルして,裁判官は判断しないといけません。
 加えて,地方の裁判所支部の事件の場合,支部には裁判官が一人しかいなかったりするので,事務官さんが本庁まで記録を持っていかなければなりません。
 というわけで,地方の裁判所では,弁護士が準抗告をすると,ほんと嫌な顔をされてしまうんですよね。

 ちなみに,連休の初日に「何が何でもすぐに判断をしてくれ!」と準抗告をすると,当直の事務官さんが各裁判官の家を廻って,持ち回りで判断をしてもらうこともあるそうです。裁判官もほんと大変ですねふらふら
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年02月02日

★損害の公平な分担って?★

 司法試験の受験時代には,法律の趣旨をキーワードで覚えることがしばしばありました。たとえば,交通事故の被害者が加害者に対して損害賠償請求をする「不法行為」の場合,「損害の公平な分担」が一つのキーワードなので,論文などでは「当事者間の損害の公平な分担の見地から,×××と解する。」などと書いたりしていました。
 でも,実際に実務に接すると,こういう法律の趣旨って,実は依頼者にとっては納得のできないことも多いって知っていますか?

 上で例に出したので,そのまま交通事故の例を使いますね。
 正直なところ,交通事故等で,被害者の損害を100%完全に満足させるだけの金銭を相手に請求することは,不可能なことが多いです。たとえば,乗車歴10年の愛車が,オカマされて,全損してしまったとしましょう。被害者からすれば,10年目と言えどもまだまだ乗れていたわけですし,自慢の愛車だったのであればなおさら,せめて買い換え費用は請求したいところでしょう。でも,この場合,相手に請求できる金額は,車両の時価,又は同等の車両を中古車市場で購入する価格になってしまいます。車両の時価はおそらく非常に低くなってしまいますし,中古車市場でも,10年落ちの国産車なら,せいぜい30万円程度でしょう。被害者からすれば,愛車を失ったことの慰謝料も欲しいでしょうし,事故によって警察を呼んだり,その後買い換えのために中古車ディーラーを見てまわったり,廃車等のための手続をいろいろしたりした手間賃も当然欲しいところですが,そのようなものはほとんど認められません。
 司法試験の受験時代なら,「不法行為の趣旨である損害の公平な分担の見地から,そのような費用は認められない」と書いてしまえばよかったわけですが,実務家になったら,いかにしてそのことを相談者の方に納得してもらうかという,難しい問題に直面するわけですね。

 ま,でも,そういう受験時代にならった知識が,実務で具体化していくというのは,一つのやりがいや楽しみでもあるわけです。たぶん今もう一度受験時代の参考書を読んだら,新たな発見があるんだろうなあと思いますね本
ニックネーム 町弁(,まちべん) at 08:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 法律関係

2006年01月23日

★陪審制は日本じゃ無理?!★

 土曜日に,友人の検事と一緒に,三谷幸喜脚本の舞台「12人の優しい日本人」を見てきました。三谷作品らしい笑いがたくさんあって,また,江口洋介や筒井道隆らドラマでおなじみの俳優らが一つの舞台で演じているとあって,映画版とは比べものにならないくらい楽しめました。
 この舞台は,もし日本に陪審制があったら,という話なのですが,この映画を見ての陪審制についてちょっと感想を。

 陪審制の場合,裁判官は原則として評議に加わらず,有罪か無罪かは一般人らだけで話し合いをして決めていきます。そうすると,この舞台でもそうなんですが,どうしても,アナザーストーリーを推理してしまう傾向があるようです。「被告人と被害者はひょっとしたら○○の関係だったんじゃないか?」とか,「被害者は自殺願望があったんじゃないか?」とか,「被告人は××という凶器を使ったのに,どこかに捨てたのではないか?」とかいった具合です。これは,TVドラマの刑事物が,ほとんど全て,推理小説風に描かれているからなのだと思います。実際の刑事裁判では,裁判所は,検察官と弁護人の主張について判断するだけです。裁判所が別の主張を考えたり,自分で証拠を探してきたりすることはありません。出された証拠に基づいて,事実認定をするだけです。でも,どうしても,『古畑任三郎』の世界みたいに,事実を推理してしまう傾向は,一般人だけで話し合うと強まってしまいそうですね。

 ま,実際のところ,やっぱり進行役としての裁判官がいなければ,なかなか全く法律知識のない人だけで刑事裁判の判断をするのは,難しいだろうなあと思います。そういう意味では,日本で陪審制ではなく,裁判官と市民が一緒に判断する裁判員制度が採用されたのは,妥当なところなのかもしれませんね眼鏡